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さよなら寝台北陸旅行記

  ◆ 【緊急特集】「さよなら、寝台特急北陸号」  《 金沢→上野乗車記 》

                                                         2010年 2月 12日(金)



石川県金沢駅から上野駅までを結ぶ2つの夜行列車。 寝台特急北陸号と、急行能登号。

しかし、2010年3月13日(土)のダイヤ改正で廃止になることが昨年末決定した。
その報道に対して、ショックを受けた人も多かっただろう。 

 

もう、いても経ってもいられなくなったので、土日を利用して寝台北陸号に乗ってきた。



仕事から帰り、自宅で簡単に着替えて向かった先はJR金沢駅。
改札口にある「急行能登・寝台北陸ご利用ありがとうございました」の文字は、出来れば見たくなかったです。



2つの夜行列車は、どちらも新潟県長岡駅経由で金沢と上野を結ぶ夜行列車です。

座席車のみ連結する急行能登。
元々、長岡経由ではなく長野・軽井沢経由で運行していましたが、1997年の碓氷峠(横軽間)の廃止に伴い現状ルートになりました。

そのため、日本ではここだけになった現役ボンネット489系車両を使用しています。
489系は元々横軽対策として、専用機関車に連結機能を付属させた485系電車のバージョンアップタイプ車両です。


もう一つの寝台特急北陸号は、日本一運行時間・距離が短い寝台列車という異名も持っています。

しかし、高速バスと違いベッドで寝て起きれば目的地と言う利点や、個室車両の多さで人気の列車でした。



ちょっと、早く来過ぎたせいか出発45分前なので、金沢駅のホームを右往左往していると6番線ホームが騒がしいぞ?

 

ちょwwww

6番線ホームおよび向かい側の5番線ホームには、黒山の人だかりが形成されていました。

急行能登・寝台北陸の始発駅でもあるJR金沢駅では、偶然にも能登と北陸は、向かい合ったホームに並んで停車します。
ただでさえ廃止前の珍しさに加えて、日本で唯一現役運行するボンネット急行列車・数少ないブルートレイン寝台車が
同じ写真に納まるとあって、列車到着までまだ時間があるのに、ホームは御覧の有様です。



混雑を避けるため金沢駅ホームには、JR公認お立ち台も作られていますが、早い人では2時間前から陣取っているとか。



おっ、リアルな撮り鉄の方々(テレビ金沢取材クルー)もいますねw

この日は丁度、廃止1ヶ月前ということもあり、廃止当日のきっぷ発売日でもありました。
なんでも金沢駅では10人近くの人が、みどりの窓口に並んだとか・・・ちなみに、指定券は瞬殺だったみたいです。

北陸・能登号ともに10秒。能登グリーン車も4分で完売しました。




時間を増すごとに、ホームがカオスになってきたので一旦退散しますか。

そうそう、列車撮影する際は、くれぐれも譲り合いの精神でルールを守りましょう!
良いアングルで撮影したい気持ちは、私も鉄道ファンの一人として理解できます。しかし、ルール厳守は当然のこと。

昨今、各地で鉄道ファンのマナー違反が取り上げられていますし、気持ちよく最後の有志を見守ろうよ。

 

そういえば、ダイヤ改正とは関係ないけど北陸本線・七尾線の普通電車の外装塗り替えが始まりましたね。

北陸本線は真っ青。 七尾線はあかね色
七尾線は比較的、好印象を持つ人が多いみたいですが私は、今の塗装が好きだな・・・



しかし、今回のダイヤ改正は痛いな・・・

今まで国鉄王国とも言われた北陸地方。
良く言えば、趣がありレトロ。 悪く言えば、時代から取り残された地方路線。

急行列車だって空気同然みたいな感じで乗っていたのに、一気に削減されます。これで金沢は、夜行列車の途中駅になりますね。
トワイライトEXPは別としても、きたぐに号や、日本海号はいつまで現存するやら・・・

 

「まもなく、6番のりばに寝台特急北陸号 上野行きが到着します。 黄色い線の・・・」

寝台北陸号入線を告げるアナウンスが、ホームに流れます。


寝台北陸号 金沢駅入線を動画で見る (YouTube再生)

 

では、早速乗ってみましょう。



今回乗車するのは、B寝台ソロ・・・所謂、個室寝台ってやつです。 寝台列車独特の狭い通路を歩いて



B寝台10番・・・おっ、ここだ!ここだ。



上野駅までの約8時間と言う短い時間、お世話になるのはB寝台ソロ10番。

意外にも、WestNozomi初の寝台列車2階個室乗車です。
何故か今まで個室は1階しか切符取れなくて、開放寝台を除けば初めて2階個室に乗車できました♪

※寝台北陸の場合、座席(個室)番号の奇数は1階。偶数は2階になります。



ちなみに、向かい側の個室を見ると、こんな感じ。

ここで、ひょんなことから向かい側の個室の方と、話す機会があり意気投合。
見ず知らずの相手ですが、一緒にお菓子や軽いアルコールを交わして、北陸号の醍醐味を語り合うことに・・・w

新幹線では絶対味わえない、こういう交流も寝台列車の良いところでもあるんだけどね。



さすが、2階席とあって眺望はなかなかです。 夜間でも夜景の良さは、確実に1階より勝ります。



しばらくすると、車掌さんが各個室を訪れ検札を行います。
私も首都圏往復フリーきっぷを提示して、車掌さんからカードキーを受け取ります。

北陸号の個室は全室カードキー方式が採用されています。下車後は、自由に持ち帰りOKなので、良い記念になりますね。



ちなみに、これより以前に実は、同じ車掌さんに会ってシャワーカードを買っていたわけ。

入線と同時に、車掌室に向かいシャワーカードと、シャワーセットを買おうと思ったが、あえなく玉砕orz
シャワーセットは完売。シャワーカードも私が購入した時点で、残り3枚だったみたいです。

寝台北陸号でシャワーを浴びたい人は、金沢入線と同時に、車掌さんから購入することを推奨しますよ?いやマジで。


念のためタオルと、シャンプー&ソープ持参していて助かった~



寝台特急北陸号は、上野へ向けて金沢駅を22:15に出発します。
・・・今回あまりにも混雑が酷かったので、過去に撮影した能登&北陸の画像を載せて置きますね(ぉ

寝台北陸・急行能登ともに、石川県内では金沢の次は、七尾線との乗り継ぎ駅でもある津幡駅に停車します。
七尾線方面から東京(上野)に行くのも、廃止されたら不便になりますね。


夜景をボ~ッと見ていると、あっという間に富山駅を発車しているところでした。


寝台北陸号 富山発車直後アナウンス&B個室全景を動画で見る(YouTube再生)


・・・いくら個室とはいえ、散らかし過ぎだぞ? のぞみん。

富山の次、魚津より先はトンネルや海沿いを走るので、せっかくの寝台列車。寝床をつくり寝ることに。



個室自体は狭いですが、大人一人寝るくらいなら十分な広さです。 案外快適ですよ? 比較対象に対してのツッコミは控えてね?(ぉ

揺れも少ない寝台特急で、つかの間の就寝タイムに入ります。


・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・



どれだけ寝たのでしょう? 目覚めると、向かい側のホームに別のブルートレインが停車している?

早速、時計と時刻表を確認してみると長岡駅みたいです。午前1:38。
向かい側のホームに停車しているのは、上野発新潟・秋田経由青森行きの寝台特急あけぼの号ですね。

寝台特急北陸号、そして先行する急行能登号はここ長岡駅でスイッチバック。進行方向が変わります。



長岡でのスイッチバックに目が覚めた後、めっきり眠れなくなったので、車窓をず~~~っと眺めていました。
深夜にも関わらず、沿線ではカメラを片手に撮影する人もチラホラいたのは驚いた。

さて、寝台列車に乗ったときの究極の選択。それは・・・


寝台だから寝るのか? それとも、起きて寝台を満喫するのか?


結局、長岡以降は後者を選択w

水上駅で運転停車したとき見えた107系電車を見ると、首都圏までもうすぐだなと感じます。時刻は午前3:43。



(興奮のあまり)眠れない・・・ふむ、ちょっと車内探検に出掛けるか♪



その途中に見つけた、今では珍しい飲料水サービス機械。

主に国鉄時代から運用する優等列車には装備されていますが、使えなかったり撤去されたものも多く
現役で使える飲料水機械がある列車も、今では少なくなっています。



まっ、物は試しですね。 隣に付属している特長的な紙コップを取り出して・・・



スイッチを押すと、水が出てきました。



あ~・・・これ、飲めるの・・・か? (失礼な!)

偶然通りかかった車掌さんは、笑顔で「飲めますので大丈夫ですよ」と言っておいでたので


ゴクゴクゴク・・・(飲んだ)


うっ、ま、まず・・・いえいえ、まろやかで美味しかったです・・・多分(ぇ

もう一杯だけ飲んでみよう。

 

車両の連結部には、北陸の幕がついた増結車両もあります。 間近で見られるので、記念撮影に良いかもよ?



・・・と、なんか興奮していると乗降扉が開きました。



高崎ですか。関東エリアに入りましたね。午前4:37。 上野まで残り1時間30分か・・・ 



次の停車駅は大宮です・・・って、早っ!!
もう、大宮到着です。始発列車も動き出しているので、ホームには人もチラホラ見えますね。

ブラック缶コーヒーを飲みながら、残り僅かな寝台特急の時間を満喫中。



「ターミナルでは時間は過ぎない・・・」 この寝台の時間も、このまま続けば良いのに。 赤羽駅通過中。



寝台特急北陸号のB個室2階。 快適なのに、3月で廃止になるなんて、そんなの・・・

やーだー、やーやーやーやー!!

やだやだ、やーやーやーやー!!!(CV:遠野そよぎさん)


脳内で勝手にシンシアの台詞がリピート再生されました。 ホント、廃止なんかしないでよぅ・・・
そして、お別れを告げる車内アナウンスが流れます。


寝台北陸号 終点上野到着アナウンスを動画で見る (YouTube再生)




「うえの~、うえの~。 終点上野でございます。お忘れ物のないように・・・」



終点到着後、乗客と入れ代わり清掃員が乗車して、車庫へ戻る前にリネン類の補充を行います。

 

金沢から約8時間という短い乗車時間でしたが、それ以上に沢山の思い出ができた今回の旅。

 

寝台特急北陸号。この列車にも様々な思い出があります。
初めての東京旅行、そしてディズニーランドへ行くときにも利用させて貰いました。


中でも一番印象的だったのが、有明のイベントに行くとき開放B寝台乗車した思い出。

下段で寝支度をしていた私の上、つまり上段ベッドから”カチカチ”とホッチキスのする音・・・。
「間に合わないよ~」と半泣きになっていた、間違いなく同じイベントの参加者の女性がいたんです。

偶然にも同じスペースに乗っていた乗客の行先はビッグサイトだったので、同スペースの乗客全員でコピ本製作したこと。

あのときの連帯感、そして同郷の仲間同士で助け合った思い出は今でも忘れることは出来ません。

 

多くの人々の多くの思い出を乗せて、金沢と上野を結んだ寝台特急北陸号。

残念ながら2010年3月12日(金)発の便を最後に、その歴史に幕を下ろすことになります。
「首都圏往復フリーきっぷ」でB寝台個室乗車も出来るので、ホントに何度も利用させて貰いました。


同区間を運行する急行能登号も同時に廃止されますが、JR西日本担当の能登は車両は違えど臨時列車として残りますが
JR東日本保有の寝台特急北陸号は、これにて完全廃止されてしまいます。

廃止まで残り少なく、寝台切符確保は極めて難しいですが、機会があるなら短い寝台列車の旅を体験してみませんか?


寝台特急北陸号、今まで本当にありがとう!!



 【 END 】


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